タブレットを活用することで二度手間解消!生産性UP!
工事や建設現場の管理を行う「現場監督」の仕事には、工事を計画通りかつ安全に進めるために図面やスケジュール表、デジタルカメラなど様々な道具が必要です。
少し前までは必要な道具の全てを持ち歩いていたのですが、近年は「タブレット」を活用する現場監督も増えています。持ち歩く荷物も減り、作業の生産性も格段に上がっています。
そこで今回は、工事現場における「タブレットの活用術」について解説します。実際に工事現場にタブレットを導入している方々にヒアリングを実施した「現場の声」もご紹介します。
今後、工事現場にタブレットの導入を考えている方は、ぜひ最後まで読み進めてください。
工事現場でタブレットを活用する際の「3つのメリット」
まずは工事現場にタブレットを導入した際のメリットを3つ解説します。タブレットを1台導入するだけで、様々な場面でメリットがあります。
メリット1:業務の効率化
工事現場では日々作業の進捗があるため、毎日異なる作業資料が必要になります。タブレット導入前は、毎日その日の図面や工程管理を印刷して、持ち歩くことが一般的でした。
つまり、パソコンで作成した資料を印刷し、紙にメモを書き加えながら作業を進め、作業後は資料をファイルに入れて保管する必要があり、1枚の資料を使う毎に「パソコン、プリンター、紙、ファイル、保管場所」など多くの道具が必要でした。
タブレット導入後は、パソコンで作成した資料をクラウドに保存することで、タブレットでその資料を瞬時に確認することができます。さらに、タブレットの画面タッチ機能を使い、デジタルデータのままメモを書き混むことも可能で、その後の資料保管もクラウドに入れて整理整頓できます。
メリット2:情報共有のスピード向上
多くの工事現場では、工事の進捗をカメラで撮影し、元請け会社や発注先に提出することが求められます。
タブレット導入前は、デジタルカメラで撮影した写真を一度パソコンに転送して、パソコンから元請け会社や発注先に送信するという作業が発生していました。
しかし、タブレットであれば、写真の撮影も送信もタブレット1つで完結するため、よりスピーディーな情報共有が可能となります。
メリット3:情報の見える化
工事を進めるためには、資材や建設機器が必要ですが、必ずしもそれらの道具が予定通りに工事現場に届くとは限りません。これらの問題で工事内容を急に変更しなければならないことも頻繁にあります。
その際、現場監督から作業員の方々に変更後の作業内容や図面を共有する必要がありますが、タブレットを活用することで、より早くより明確に情報を伝えることができるようになります。
工事現場に朝礼看板としてデジタルサイネージを設置している場合は、タブレットのミラーリング機能を使うことで、タブレット画面を直接デジタルサイネージに表示することもできます。
より多くの作業員の方々に一斉に情報共有を行う必要がある工事現場では、タブレットと合わせてデジタルサイネージも活用されています。
工事現場でタブレットを活用する際の「デメリット」
このように便利なタブレットですが、最大のデメリットがあります。それは紛失した時に「データ漏洩のリスク」があることです。
タブレットには多種多様な機密情報が保存されていたり、社内専用クラウドにアクセスできたりするため、タブレットの紛失は必ず防がなければなりません。
タブレットの紛失リスクを下げるためには、ストラップ付きの専用ケースに入れて、持ち運ぶ時は必ず肩にかけて運ぶなど、できる限り自分の身体から離さないようにする必要があります。
工事現場でのタブレット活用術「5選」
タブレットには様々な機能が内蔵されていますが、ここでは工事現場で役立つ活用術を5つご紹介します。簡単な機能で、すぐに実践できる活用術ばかりなので、ぜひお試しください。
活用術1:カメラと画像編集
タブレットの機能の中で、工事現場で最も活用されている機能は「カメラと画像編集」の機能です。
工事現場では工事の進捗を写真で記録に残す必要があります。さらにその写真の中で、どの部分の工事を実施したかが一目でわかるように、画像に印をつけることも多いです。
タブレットを活用することで、撮影した画像に印をつけたり、文字を入れたりなど簡単な画像編集であれば、誰にでも簡単に行えます。
画像を編集するためだけにパソコンに画像を移す必要がないため、作業効率が格段に上がります。
活用術2:メールの受送信
工事現場によっては、工事スケジュールや施工方法の細かい指示が日々メールで届くこともあります。
今まではパソコンで資料を開いて、プリンターで印刷して、その紙を現場で持ち歩いたり、少し前の資料を見る時は、わざわざ事務所に戻ってファイルを確認していました。
しかし、タブレットを活用することで、届いたメールに添付されている資料をすぐに開けますし、過去の資料も保存しておけばすぐに開けます。
データをファイル名をつけて整理したり、検索したりできるのも便利なポイントです。
活用術3:クラウド
タブレットをインターネットに接続することで、クラウド上に写真や資料を保存できます。
工事現場で撮影した写真や作成した資料は、本社など他の拠点への共有を求められることがあります。
都度メールで送るのは手間がかかるので、事前に保存場所をクラウド上の特定のファイルに決めておけば、資料を見たい人がそのクラウドファイルを確認するだけで良くなります。
特に拠点が複数ある会社では、クラウド活用でかなりの生産性向上が期待できます。
活用術4:スケジュール管理
多くの企業で導入されているスケジュールアプリでは、自分でスケジュールを入力するだけでなく、作成した予定に他の担当者を招待することができます。
つまり、他の工事関係者のスケジュールの閲覧や共有が可能ということです。
この機能を活用することで、関係者にスケジュールの確認をする手間が減らせたり、チームメンバーを漏れなく会議に招集できたりします。
工事関係者が多い現場で、特に便利な機能です。
活用術5:ウェブ会議
コロナ禍に入り、リモートでの作業が増えた工事現場も多いと思います。
実際の施工については現場でしか行えませんが、今までは工事現場で行っていた作業も一部はリモートで行えるようになりました。
例えば、他の拠点にいる工事関係者と工事現場をウェブ会議で繋いで、工事現場にいる担当者が現場の様子をウェブ会議に映像を届けて、リモートで現地下見をすることも増えています。
コロナ禍の直後は感染症対策としてリモートワークが取り入れられましたが、物理的な移動が減ると作業効率が高いという認識が広まって、最近ではリモートで完結できる業務はできるだけリモートで行う流れが主流となっています。
タブレットを導入した現場作業員の声
ここまでの項目で、工事現場にタブレットを導入することで多くのメリットや便利な機能があるとご紹介しました。
こちらの項目では、実際に工事現場で働いている方2名にヒアリングした「タブレットを導入した感想」をご紹介します。
現場の声1:M建設Y様(60代男性)
・昔は青焼き(A1サイズの図面)を持ち運んでいたが、図面を持ち運ばなくても良くなっただけでも素晴らしい。
・現場でパッと図面を確認したいときに出せる、図面への記入・共有も早い。
現場の声2:T建設T様(30代男性)
・写真管理がとにかく楽になった。
・撮影してからクラウドサーバーに上げるだけで共有できるのが良い。
・電卓を持ち歩かなくて良くなった。
・野帳(水に濡れても大丈夫な測量に使うメモ帳)もiPadでエクセルに入力できるようになった。
工事現場で活用されている現場専用アプリ「2選」
タブレットの一般的な機能だけでもかなりの業務効率化に繋がりますが、工事現場に特化して作られた専用アプリを活用することで、さらにタブレットを便利に活用できるようになります。
今回は、多くの工事現場に導入されている2つのアプリをご紹介します。
アプリ1:eYACHO
「eYACHO(イーヤチョウ)」は工事・建設業界に特化して作られたデジタルメモアプリです。
デジタル化が進んだとは言っても、工事現場での業務は立ち仕事が中心で、パソコンを使った作業よりも手書きの方が早い場面が多いです。
「eYACHO」は、手書きのメモ機能をはじめに、画像や写真を挿入できる機能や業務日誌・報告書などの資料作成に向いたテンプレートも準備されています。
つまり紙のメモ帳に手書きでメモをする感覚を残しつつ、デジタルの便利さを追加したアプリということです。
※参照:https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/
アプリ2:Buildee
「Buildee(ビルディー)」は、工事現場における施工管理業務をサポートするアプリです。スケジュール調整や工事資料の作成、入退場の管理など施工管理に必要な機能を全て実装したサービスです。
「Buildee」を導入することで、工事現場での業務全体で作業の効率化を図ることができるため、多くの工事に関わる企業で導入されています。
※参照:https://service.buildee.jp/
タブレットと合わせて導入したいデジタルサイネージのご紹介
工事現場にタブレットを導入すると、情報共有の効率性やスピードが上がると解説しましたが、作業員が多い大規模な工事現場では「デジタルサイネージ」の導入が増えています。
工事看板にデジタルサイネージを埋め込み、朝礼時にラジオ体操の動画を流したり、タブレットのミラーリング機能を使い、その日の工事スケジュールや作業指示内容を表示させて、作業の効率性や安全性の向上に繋げています。
こちらの項目では、日本全国200現場以上に屋外用デジタルサイネージを設置した実績がある「ヤマト広告株式会社(以下、ヤマト広告)」の工事現場専用のデジタルサイネージを「LEDビジョン」と「液晶ディスプレイ」の2種類をご紹介します。
種類1:モニたろうDシリーズ(LEDビジョン)
「モニたろうDシリーズ」は、ヤマト広告のオリジナル製品である「朝礼看板LEDビジョン モニたろう」です。LEDビジョンは75インチ以上の大型のデジタルサイネージを設置する際に、液晶ディスプレイよりもコストメリットが出ます。
さらに、LEDビジョンはメンテナンスのしやすさが特徴です。320mm角のLEDパネルの組み合わせで作られているため、例え一部が故障したとしても故障箇所のLEDパネルのみを交換するだけですぐに使えるようになります。
種類2:モニすけ(液晶ディスプレイ)
「モニすけ」はヤマト広告オリジナルの「屋外用高輝度液晶モニター」です。LEDビジョンは320mmのLEDパネルの組み合わせであるため、工事現場での組み立て作業が必要です。
一方で液晶ディスプレイは完成した状態で発送されるため、設置が簡単で、すぐに使えることが特徴です。
また、LEDビジョンとは反対に75インチより小さいデジタルサイネージを設置する際には、液晶ディスプレイの方がコストメリットが出ます。
近年は工事現場の周辺に暮らしている住民の方々への情報共有として、仮囲いに小型のデジタルサイネージを設置することも増えています。
デジタルサイネージを設置する工事現場ごとに「LEDビジョン」と「液晶ディスプレイ」を使い分ける必要があるのです。
タブレットとデジタルサイネージを活用して作業効率を上げましょう!
多くの工事現場でタブレットの導入が進んでいますが、まだまだ紙の資料の運用をしている現場も多くあります。紙は紛失したり、雨や汚れで読みにくくなるリスクもあります。
まだ工事現場のデジタル化を進められていない場合は、まずはタブレットとデジタルサイネージの導入から始めてみてはいかがでしょうか?