もしも、労働災害が起きたら?起こさないための予防策は?
最悪の場合、人命にかかわる労働災害。絶対に起きてほしくないことですが、
もしも読者の皆様が関わっている建設現場で労働災害が起きたとき、どれくらいのお金が必要になるか、考えたことはありますか?
万が一、労働災害が発生すると次のような影響があります。事故に直接関連する費用として「工期の遅延に伴う違約金」、「建物等の損壊に対する弁償」、「会社規定に基づく補償費」、「訴訟関係費」、「労災保険料のメリット差額」「再発防止のための管理指導強化費用」、「労災保険以外の各種保険の次年度に増額される保険料」を負担する必要があります。また、今後の営業活動に関係する影響として、信用低下などによる「他工事への影響」、「経営事項審査のポイント減によるランク格下げ」などが考えられます。
労働災害発生コストの考え方
独立行政法人労働安全衛生総合研究所高木元也氏の論文によると、建設現場における労働災害損失項目は以下の項目に分けることができます。
A.直接的損失(建設業者の直接支出)
(1)支払保険料の増額分
(2)会社上積補償(会社規定に基づく補償費等)
療養補償費/休業補償費/付加休業補償費/障害補償費/遺族補償費/葬祭料/弔慰金/移送費/入院中雑費/傷病見舞金/退職金割増額/諸貸金の弁済減免額/給付制限による会社負担/対物補償費/保険金一式etc.
(3)訴訟関係費用(会社規定によらないもの)
民事損害賠償額(逸失利益、慰謝料等)/示談金/付随費用etc.
(4)建物等の物的損失
建物/付属設備/施工途中の建造物/仮設構造物/機械/器具/工具/付属品/資材類etc.
(5)現場の生産性に関する損失
遅延回避のための損失/遅延による損失(人件費、現場管理費、遅延違約金等)etc.
(6)その他の損失
通信交通費、官庁関係費、地域対策費、その他
B.間接的損失
(1)被災者の稼得能力喪失等に伴う所属会社の損失
当日の損失額/休業中の損失額/労働時間中の損失額/死亡または障害が残った場合の損失額etc.
(2)工事関係者(被災者以外)の不働賃金
救援・連絡・介添のための不働賃金/作業手待ちによる不働賃金/原因調査・記録のための不働賃金/現場の整理・復旧のための不働賃金/見舞・付添のための不働賃金/葬儀・会葬のための不働賃金etc.
(3)営業活動に関する損失
指名停止による損失額etc.
(出典:高木元也「中小建設業者の安全意識向上に資する労働災害損失額計測手法の構築」)
労災の損失を考えるとき、Aの直接的損失は、保険や訴訟、損壊の修繕費用など思い浮かびやすい損害なため、意識されることが多いです。しかし、Bの間接的損失、つまり、作業が止まって工期が伸びてしまうことによる損失も、計算に入れる必要があります。
労災損失額を計算するためには、これらの項目について、自社で労働災害が起こった場合の影響を一つ一つシミュレーションしていく必要があります。会社規模、社員数によって影響は異なりますし、よく重機を使う、使わないなど、重機の使用状況によって労災事故が起こる確率や被害の規模は異なります。また、足場を担当する職人とコーキングをする職人など、担当業種・職種によっても確率の高い事故の種類は異なります。
以下に実際の損失額の例があります。
(出典:高木元也「中小建設業者の安全意識向上に資する労働災害損失額計測手法の構築」)
死亡事故あるいは、複数人を巻き込む事故、周辺民家や施設の損壊となると、損失額は一気に巨額(億単位)になります。中小の建設業、あるいは大企業クラスの建設事業者でも、金銭的な損害補償、あるいは報道等による信用毀損などで、非常に厳しい事態となります。
労働災害が起きた場合に、どのようなケースで、どんな被害が起こりえるのか、どれだけのコストがかかるかを具体的にシミュレーションすると、逆にどのような手が事前に打てるか考えたり、現場の安全対策への意識がより高まります。
安全対策の方法論
このような労災事故を事前に防ぐためには、何をすればよいでしょうか。
1.基本的な手順を遵守する
高所作業中の安全帯の着用や、玉掛け時の正しい手順、次の作業に移る前に、自分の周囲・前後の確認を行う、吊り荷が落下してくる範囲に立ち入らないなど、基本的な事項を遵守することで防ぐことができる労働災害の事例は少なくありません。朝礼時・点呼時に作業員全体に向けて、当日の作業内容に関連する注意事項をデジタルサイネージなどで表示し、過去・他社の事故事例を踏まえながら詳しく説明することや、実際の作業状況を確認し、作業員が基本的な手順を怠っていないかを管理者が確認することが重要です。
2.IT連絡ツールにより確認不足を防ぐ
事故の原因として、確認不足による「思い込み」は非常に大きな要因になります。そのため、危険作業を行うメンバー同士が無線レシーバーを使いながら、今どこで何をしているのかの報告・声掛けや、次の作業に移る前の安全確認を緊密に行うことが重要になります。「Buddycom」や「BONX WORK」といったサービスを使うことで、手元のスマホをメンバーとの連絡を取り合うインカムとして活用することができます。
3.安全のための従業員への情報提供
デジタルサイネージを利用すれば、危険な作業の気をつけるべきポイントを繰り返しリマインドしたり、緊急時の避難経路を、工事の進捗状況に応じて、表示内容を変更しながら、お知らせすることができます。
当社では現場従業員への安全の注意喚起のツールとして、建設現場用デジタルサイネージ「モニたろう」、「モニすけ」を提供しております。
直射日光の下でもブラックアウトせず使用可能で、もちろん風雨にも強いです。
『モニたろう』は、工期が半年や1年以上の大規模な現場でよく利用されています。
特徴としては、LEDパネルを何枚も組み合わせることで、90インチから240インチ程度まで柔軟に大画面を実現することができます。
主な用途としては、朝礼用看板としてラジオ体操を放送するために活用されたり、図面や注意事項、作業方法の掲示板として活用されています
『モニすけ』は、小規模現場や短期の現場に適した建設現場用液晶ディスプレイです。
選べるサイズは、小型19インチや大画面110インチに様々なコンテンツを同時表示できるマルチディスプレイまで、大手の建設現場で導入されています。
主な用途としては、朝礼用、仮囲い用に選ばれています。
高所での安全確保のためのハーネスや、うっかりミスを減らし作業連携を効果的に行うレシーバー、安全啓発活動、危険予知活動に活躍するヤマト広告の建設現場用デジタルサイネージ朝礼看板「モニたろう」などを導入する費用は、万が一の事故と比べると相対的に少ないコストであると言えるのではないでしょうか?ヤマトサイネージでは、建設現場用デジタルサイネージをご提供しております。ぜひとも一度導入をご検討ください。
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