工事現場に仮囲いが設置されている目的をご存知ですか?
工事現場の周りに設置されている「仮囲い」ですが、近隣の方々の安全を守ること以外にも役割があるとご存知でしょうか?
仮囲いの目的について詳しく知ることで、仮囲いの効果を最大限に発揮させられるようになるでしょう。
そこで今回の記事では、設置目的や基準、メリットについてなど、仮囲いについて詳しく解説します。
普段仮囲いを活用しているけど、詳しくは知らないという方は、ぜひ最後まで読み進めてください。
仮囲いとは
仮囲いとは、建築や解体などの工事現場の周囲を一時的に囲う「仮設の壁」のことを言います。
工事現場の周りを、高さ3mほどの白い壁で囲われている様子を見たことがありませんか?
一言に仮囲いと言っても、材質は鋼製板、波鉄板、合板など様々あり、設置方法も工事現場の状況に合わせて3種類から選ばれます。詳しい設置方法については、後ほど詳しく解説します。
また、色は白い仮囲いが一般的ですが、一部を透明にして工事現場の内部が見えるようにしていたり、白ではなく黒い仮囲いもあります。
仮囲いの基準
仮囲いの設置は、「建築基準法」によって基準が設けられており、以下の工事を行う際には、仮囲いの設置が義務付けられています。
▼仮囲いを設置しなければならない工事の基準
・建物の高さが13m以上、または軒に高さが9m以上の「木造の建築物」の工事
・2階建て以上の「木造以外の建築物」の工事
工事現場によっては、仮囲いを道路に設置することもあります。
その場合は、道路管理者や警察署に道路使用許可を取る必要があるので、事前に確認しましょう。
仮囲いを設置する「3つの方法」
仮囲いを設置する方法は複数ありますが、ここでは一般的に用いられている代表的な3つの方法をご紹介します。
設置方法1:パイプ・クランプ式
工事現場に仮囲いを設置する際に、最も一般的な設置方法が「パイプ・クランプ式」です。
パイプ・クランプ式では、まず杭を地中に打ち込んで、その杭に支柱となるパイプを立てます。その支柱を軸に横や斜めにパイプを組み合わせることで、土台を作り、仮囲いの板を設置する方法です。
コストはこの方法が最も安くなることが多いですが、仮囲いの板を支えるために、斜めにパイプを設置するので、仮囲いを設置する広いスペースが必要となります。
設置方法2:H形鋼2列据置式
工事現場によっては地面に杭が打てないことも多いでしょう。そんな時に使われるのが「H形鋼2列据置式」です。
H形鋼2列据置式では、H鋼を2本寝かして、そのH鋼に横地と斜めにパイプを固定して、仮囲いの板を設置する方法です。
地面に杭が打てない工事現場で、仮囲いを設置するスペースに余裕がある場合は、H形鋼2列据置式が用いられます。
設置方法3:H形鋼支柱杭式(コンクリート基礎式)
仮囲いを設置するスペースが限られている工事現場では、H鋼を支柱として打ち込み、パイプを横地にパイプを設置して、仮囲いの板を取り付けます。
この場合は、支柱として埋め込んだH鋼に十分な強度があるので、斜めに支えのパイプと取り付ける必要はありません。
地面にH鋼を打ち込める工事現場で、仮囲いを設置するスペースが限られている時には、H形鋼支柱杭式(コンクリート基礎式)が用いられます。
今回ご紹介した3つの方法の中では、H形鋼支柱杭式(コンクリート基礎式)が最もコストが高くなることが多いです。
仮囲いを設置する「5つの目的」
ここまで仮囲いの概要について解説しましたが、仮囲いを設置する上で最も重要になるのが「目的」です。
ここでは、工事現場に仮囲いを設置する5つの目的を解説します。
それでは1つずつ見てみましょう。
目的1:近隣住民の安全確保
工事現場に仮囲いを設置する最大の理由は、「近隣住民の安全確保」です。
特に近くに住む子供が誤って工事現場に入ってしまっては、事故に巻き込まれるリスクが大変高くなります。
危険の多い工事現場には、関係者以外は侵入できないように、しっかりと仮囲いを設置することが求められています。
目的2:資材やゴミなどの飛散防止
工事現場の中には、色々な工事廃材があり、仮囲いをしていないと、風で敷地外に飛ばされる恐れがあります。
工事現場にも環境への取り組みが重視されているため、仮囲いを設置して、廃材の飛散防止に努めています。
目的3:防音
工事現場では、クレーン車やトラックなど大型車両の出入りも頻繁に行われますし、建築機械を使って作業をする際には、ある程度の騒音は避けられません。
そこで、工事現場の周囲に仮囲いを設置することで、防音効果も期待でき、周囲の近隣住民にも騒音へ対策をしているというアピールにも繋がります。
目的4:建築資材の盗難防止
工事現場で使われる建築資材や建築機械は、高価なものが多く、盗難事件も頻繁に発生しています。
工事現場の全体を仮囲いで覆うことで、部外者が立ち入ることが困難になります。さらに、入場ゲートを数箇所に絞ることで、どんな人がいつ工事現場に入場したのかも、把握しやすくなります。
現場内にある高価な建築資材の盗難を防止するために、仮囲いが役立っているのです。
目的5:会社のアピール、掲示物
一般的な仮囲いは、白地かつ無地のものが多く、そのスペースを使って、色々な取り組みがされています。
例えば、近隣の小学生に絵を描いてもらい、仮囲いに掲示することで、その工事現場に親近感を抱いてもらうことに繋がります。
また、人気キャラクターのイラストを載せることで、こちらも工事現場へポジティブな印象を持っていただくことに繋がっています。
工事現場の仮囲いの有効活用の事例については、以下の関連記事で、画像付きで詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
>> 関連記事:建設業界のイメージを変える!仮囲いをデコレーションする最新技術とは?
仮囲いを設置する「3つメリット」
続いては、仮囲いを設置する3つのメリットについて解説します。
工事現場で問題視されているトラブルを抑制する効果もあるので、ぜひ詳しく読み進めてください。
メリット1:安全な作業環境を整えられる
仮囲いを設置することで、関係者以外の立ち入りを防ぐことができ、現場内の安全を確保することができます。
工事現場内には、人が通って良い安全な場所と、建設機械が通る場所など危険な場所があります。工事現場内の作業員も、危険箇所には人が来ないことが確保されていた方が、作業の効率は上がります。
しっかりと安全な作業環境を整えられることが、仮囲いを設置する大きなメリットと言えるでしょう。
メリット2:工事現場のイメージが向上する
何も知らない方からすると、大きな機械で作業をしていたり、大きな音がなったりと、「工事現場は怖い」という先入観を持っている方もいます。
そこで、仮囲いを設置し、人気キャラクターのイラストや子供が描いた絵を飾ったり、防音効果を高めたりすることで、工事現場に対するイメージの向上に繋がります。
また、工事現場への就職希望者は減少傾向にあるため、仮囲いで工事現場へのネガティブなイメージを払拭することで、将来的な働き手の確保にも繋がると期待されています。
メリット3:近隣住民からのクレームが減る
近隣住民からのクレームには、騒音や振動に関するものもありますが、その多くは事前に通知することで、一定数減らすことができます。
そこで、工事現場の仮囲いに、小型のデジタルサイネージを設置することで、いつどんな工事をするかを周知します。
すると、何も知らずに騒音や振動がすると怒る人でも、事前に知らされることで、理解していただけることがあるのです。
このデジタルサイネージについては、後ほど詳しく解説します。
仮囲いを設置する「デメリット」
仮囲いの設置は、義務化されている工事現場も多いため、基本的にはデメリットはありません。
強いて挙げるとすれば、費用がかかることでしょうか。
仮囲いの設置が義務付けられていない規模の工事現場では、仮囲い以外の方法で、安全性の確保をすることもあるでしょう。
工事現場に特化したデジタルサイネージのご紹介
ここからは工事現場に特化したデジタルサイネージをご紹介します。
全国の200箇所以上の工事現場にデジタルサイネージを納品している「ヤマト広告株式会社」は、屋外の工事現場専用のデジタルサイネージを取り扱っております。
近年、デジタルサイネージを導入して、DX化や業務効率化を図る工事現場が増えています。まだ導入していない方は、ぜひ導入を検討してみてください。
種類1:モニたろう Dシリーズ(LEDビジョン)
「モニたろう Dシリーズ」は、ヤマト広告の「朝礼看板LEDビジョン」です。主に朝礼看板の中央部分に埋め込む形で導入されています。
ヤマト広告が全国に納品しているデジタルサイネージのうち、その多くが「90インチのLEDビジョン」です。もしデジタルサイネージの種類やサイズが多くて、どれを選べばいいかわからないという方は、90インチのLEDビジョンを選ぶことをおすすめします。
もし、自分が担当する工事現場に適したデジタルサイネージを知りたいという方は、担当者から現場状況をヒアリングさせていただき、ご案内させていただきます。
まずはお気軽にお問い合わせください。
種類2:全画面LEDビジョン朝礼看板『モニたろう』
一般的には朝礼看板の中央部分に埋め込む形で、工事現場に導入されることが多いとご説明しましたが、「全画面LEDビジョン朝礼看板『モニたろう』」は、その朝礼看板の全体をデジタルサイネージにした新商品です。
204インチを超える大画面なので、画面分割をしながら、色々なコンテンツを同時に表示させることができます。
特に、他の工事現場と圧倒的な差別化を図りたい、大人数の作業員に一斉に情報共有をしたいという工事現場に選ばれています。
「全画面LEDビジョン朝礼看板『モニたろう』」の大きさについては、以下の動画を見ていただくとよりイメージしやすいと思います。
>>「全画面LEDビジョン朝礼看板『モニたろう』」についてのお問い合わせはこちら
種類3:モニすけ(液晶ディスプレイ)
「モニすけ」は、工事現場に特化した「屋外用高輝度液晶モニター」です。
先ほどご紹介したLEDビジョンは視認距離が遠く、4m以上離れた場所から見ることを推奨されていますが、液晶ディスプレイは家庭用のテレビのように、近くからでもきれいに見えます。
特に小規模な工事現場では、液晶ディスプレイが選ばれることが多いです。
また、先ほどご紹介したように、32型くらいの小型の液晶ディスプレイを仮囲いに設置して、近隣住民の方々へ工事情報の共有をする工事現場も増えています。
液晶ディスプレイについて、もっと詳しく見たい方は、以下よりご覧ください。
>> モニすけについて詳しく見る
仮囲いで工事現場をもっと安全に!
工事現場に仮囲いを設置することで、多くのメリットがあることがわかったと思います。特に「安全性の確保」や「近隣住民からのクレームの抑制」には、多くの工事現場が助かるメリットです。
また、仮囲いには小型のデジタルサイネージを設置して、工事スケジュールを近隣住民に共有することで、工事への理解を得やすく、クレームの更なる抑制に効果的です。
iPhoneやiPadのミラーリング機能を使うことで、簡単にコンテンツをデジタルサイネージに表示できたり、画面分割をして複数の安全注意喚起のポスターを同時に掲載したりすることができます。
工事現場において、作業員の安全意識の向上に大きく貢献するため、まだ試したことがないという方は、ぜひ一度、お問い合わせください。