工事・建設現場では高所作業時の墜落・転落が毎年2万件も発生しています
工事・建設現場での業務には、大型の重機を使った作業や重い資材を釣り上げる作業、さらには地上何十メートルにも及ぶ高所での作業など、様々な「危険」と隣り合わせです。
このように危険が多い工事現場では、高所作業時の墜落・転落による事故がまだまだ多く、厚生労働省によると毎年200名以上の死亡者と20,000名以上の死傷者が発生しています。
この状況を打開すべく2022年1月には、高所作業時に「フルハーネス型墜落制止用器」(以下、フルハーネス)の着用が義務化されました。
そこで今回は、工事現場における「高所作業」についての種類や注意点を解説しつつ、義務化されたフルハーネスについて、さらには高所作業の安全注意喚起に役立つデジタルサイネージについても解説します。
高所作業における安全対策を強化したいという方は、ぜひ最後まで読み進めてください。
高所作業とは?労働安全衛生法の定義を解説
まず高所作業とは「2メートル以上の高さ」で行う作業を指します。これは労働安全衛生法で、以下のように定義されています。
労働安全衛生法令では、墜落による労働者の危険を防止する措置として、高さ2メートル以上の箇所で作業を行う場合には、作業床を設け、その作業床の端や開口部等には囲い、手すり、覆い等を設けて墜落自体を防止することが原則。
※引用:「労働安全衛生法令における墜落防止措置と安全帯の使用に係る主な規定」厚生労働省 安全衛生部安全課 建設安全対策室
つまり、2メートル以上の高さから転落した場合は、重大な災害に繋がる可能性が高いということを示しています。
高所作業で発生する可能性がある事故
高所作業では、作業員が高い場所に行って、様々な道具や資材を使って工事を行います。高い場所で作業を行うということだけで、様々な事故が起きるリスクが潜んでいます。
まずは高所作業中に想定される事故の事例について見ていきましょう。
事例1:作業員の転落
高所作業で最も注意しなければならないのが、作業員が高所から転落する事故です。
工事現場には様々な重機や資材が置かれているので、2メートルからの転落でも大怪我に繋がる可能性は十分にあります。作業員が転落した際に、その下にいる作業員と接触する二次災害も考えられます。
事例2:道具や資材の落下
作業員は常に何種類もの腰道具を持っており、その一つひとつは重くて、人に当たると危険な道具ばかりです。
それらの道具を高所作業中に落下させてしまった際には、地上にいる作業員に当たって大怪我をさせる可能性があります。
工事現場では、高所から道具や資材を落下させることも「労働災害」として危険視しているため、十分に注意が必要です。
事例3:高所作業車や足場の転倒
高所作業を安全に行うために使う高所作業車や足場ですが、適切に使わなければ転倒する恐れがあります。
特に高所作業車の種類によっては、自走式のタイプもありますが、移動する際には作業床を最も低い位置まで下げて移動しなければなりません。作業床が高いまま移動してしまうと、工事現場のちょっとした段差でも転倒や挟まれ事故が起きるリスクが高まります。
高所作業におけるリスクと安全対策
工事現場には様々な種類の作業があり、それぞれのシチュエーションによって、リスクと対策が異なるので注意が必要です。
ここからは高所作業におけるリスクと安全対策について解説します。
安全対策1:足場
工事現場では、足場を組んだ作業をする作業が多く発生します。建物の外壁や屋根、天井の工事をする時には、足場を使用して安全な労働環境を整えます。
足場の中にも種類があり、「単管足場」「くさび式足場」「枠組み足場」「吊り足場」「移動式足場」などの中から、その工事現場と作業内容を考慮して、適切な足場を選ぶ必要があります。
安全対策2:高所作業車
建物の高い場所や電波塔などの高い屋外設備での作業において、主に「保守点検」の作業をより安全に行うために、高所作業車が使われています。
さらに安全を確保するために、作業床の高さが10m以上の高所作業車を運転するには、講習を受けなくてはいけません。
安全対策3:フルハーネス
高所作業を行う作業員を危険から守るのによく使われているのが「フルハーネス」です。以前は胴ベルト型の安全帯が使われていましたが、より安全性の高いフルハーネス型に移行が進んでいます。
このフルハーネスについては、2022年1月に義務化されたため、次の項目でより詳しく解説します。
高所作業時のフルハーネスの着用が義務化
高所作業の危険から作業員を守る「フルハーネス」ですが、2022年1月からは着用が義務化されました。フルハーネスの着用義務化については、今回急に変更になったわけではなく、以下のように段階的に工事現場への導入が強化されてきました。
・2018年4月:フルハーネス安全帯使用の義務化を組み入れた「第13次労働災害防止計画の目標」の推進が開始。
・2019年2月:フルハーネス安全帯に関する新形式の規定の適用がスタート。高さ6.75メートル以上、また建設の作業現場では高さ5メートル以上の高所でのフルハーネス型安全帯の着用が義務化。
・2019年7月:従来の規格形式の安全帯の製造禁止。
・2022年1月:従来の規格形式での安全帯の販売及び現場での作業禁止。前もって設定されていた猶予期間が終了し、フルハーネスの着用義務化。
今まで工事現場に入る際には、ヘルメットの着用が義務化されていましたが、今後はヘルメットに加えて、フルハーネスの着用も求められるようになります。
フルハーネスの必要性
フルハーネスが義務化されたのは、万が一作業員が転落した際に、従来の胴ベルト型では安全性が低いという危険性が明らかになったためです。
今まで一般的に使われてきた1本のベルトで身体を支える胴ベルト型をつけている作業員が転落した際には、胴ベルト型を巻いているお腹周りに衝撃が集中してしまい、転落せずともその衝撃が致命傷になりえます。
また、宙吊りになった際に、身体がくの字に曲がってしまい、最悪の場合は頭が下を向いてしまう可能性があります。長時間この姿勢が続くと、これもまた致命傷になりえます。
一方で、今回義務化されたフルハーネスは、身体にかかる衝撃を分散させられる上に、宙吊りになった場合でも、足が下を向いた直立した姿勢を保つことができます。
フルハーネス義務化への対応に必要な「3つ」のこと
より安全な作業環境を整えるために、2022年1月からすでにフルハーネスの義務化はスタートしています。これに対応するために必要なことを3つご紹介します。
対応1:新しい規格のフルハーネスを使う
2022年1月以前に販売されていたフルハーネスは、新しい規格に対応していない可能性があります。仮にフルハーネスを持っていたとしても、新しい規格に適応したフルハーネスでなければ、義務化への対応とはなりません。
必ず新しい規格のフルハーネスを準備しましょう。
対応2:点検を適切に行う
フルハーネスも使い続けると劣化して、万が一の際に身体を支えられない恐れがあります。定期的に点検を行い、正常な耐久性を維持しているかを確認しましょう。
対応3:安全衛生特別教育を受講
高さが地上から2メートル以上であり、作業床を設置できない場所で、フルハーネスを使って作業を行う場合は、安全衛生特別教育を受講しなければいけません。
高所作業をしない作業員でも、フルハーネスを使った作業をする可能性のある方は、適切な使用方法やその他の安全知識の習得のためにも、安全衛生特別教育をおすすめします。
高所作業の安全注意喚起には「デジタルサイネージ」がおすすめ
高所作業における安全対策としてフルハーネスについて詳しく解説しましたが、安全な作業環境を維持して、事故を起こさないために最も必要なことは、作業員が「高い安全意識を持ち続けること」です。
事故が起きた直後などは意識が高まりますが、無事故期間が何十日も続いていると、どうしても気が緩んでしまいます。
そこで、作業員に安全注意喚起のメッセージを伝えるのに、多くの工事現場で「デジタルサイネージ」が活用されています。
ここでは、工事現場に特化したデジタルサイネージを全国に設置している「ヤマト広告株式会社(以下、ヤマト広告)」のデジタルサイネージについて詳しくご紹介します。
種類1:モニたろう Dシリーズ
「モニたろうDシリーズ」は工事現場への設置に特化した「朝礼看板LEDビジョン」です。
「LEDビジョン」は、小さなLEDランプが4mm間隔でついている320cm角のLEDパネルを組み合わせて、1つのデジタルサイネージを構成します。
視認距離が遠いこともあり、デジタルサイネージを設置する場所と見る人の距離が離れている大規模な工事現場でLEDビジョンは選ばれています。75インチ以上の大型のデジタルサイネージを設置する際には、LEDビジョンの方がコストメリットが出ます。
全国の工事現場にデジタルサイネージを設置した実績があるヤマト広告の納品実績のうち、なんと50%以上は「90インチサイズのLEDビジョン」です。
デジタルサイネージを初めて導入するけど、どれを選んだらいいかわからない!という方におすすめの商品です。
種類2:全画面LEDビジョン朝礼看板
一般的な工事現場では、朝礼看板にLEDビジョンを埋め込む形で、工事現場にデジタルサイネージを設置しますが、それでは表示させられるコンテンツに限りがあります。
そこでヤマト広告では、朝礼看板の代わりに204インチほどの超巨大なLEDビジョンを設置することで、朝礼看板の全画面がデジタルサイネージになる商品を開発しました。
より大きなデジタルサイネージであれば、数種類の安全注意喚起のポスター画像を同時に大きく表示することも可能です。
大規模な工事現場に、とにかく目立つデジタルサイネージを設置したいという方は、こちらの「全画面LEDビジョン朝礼看板『モニたろう』」がおすすめです。
>>「全画面LEDビジョン朝礼看板『モニたろう』」についてのお問い合わせはこちら
種類3:モニすけ
「モニすけ」は工事現場に特化した「屋外用高輝度液晶モニター」です。
こちらの液晶ディスプレイの最大の特徴は、視認距離の近さです。家庭用のテレビのように、近くからでもとても綺麗にコンテンツを見ることができます。
小規模な工事現場に設置して、画面の近くから作業員が見る際には、液晶ディスプレイがおすすめです。LEDビジョンと対照的に、75インチ以下の小型のデジタルサイネージを設置する際には、こちらの液晶ディスプレイの方がコストメリットが出ます。
また、近年は仮囲いに小型のデジタルサイネージを設置して、近隣住民の方々に工事スケジュールや安全注意喚起のポスターを共有する工事現場が増えています。
デジタルサイネージに特化したコンテンツのダウンロード方法
工事現場にデジタルサイネージを設置したものの、どんなコンテンツを表示したら良いかわからないというご相談を多くいただきます。
表示するコンテンツもデジタルサイネージに最適化したコンテンツの方が見やすく、印象に残りやすくなります。
そこで、ヤマト広告では、デジタルサイネージに最適化した安全注意喚起に関するコンテンツを無料でご提供させていただきます。
今回ご紹介した「高所作業」や「玉掛け」に関する安全注意喚起ポスターもあるので、ぜひダウンロードしてご活用ください。
ステップ01:コンテンツを選ぶ
まずこちらからヤマト広告HP内のコンテンツページに移動します。
ステップ02:無料メルマガに登録
画面下にある「初めてご利用の方」の箇所から無料メルマガに登録します。
ステップ03:コンテンツを無料でダウンロード
お好きなコンテンツを無料でダウンロードしていただけます。
最短1分で登録できるので、ぜひご活用ください。
デジタルサイネージを活用して高所作業を安全に行いましょう
今回は高所作業に関する安全対策と2022年1月に着用が義務化されたフルハーネスについて、さらには、高所作業時に安全意識を維持することに役立つデジタルサイネージについて解説しました。
工事現場における作業は「安全第一」で、事故や労働災害は何としても避けなければなりません。
フルハーネスやデジタルサイネージを活用して、無事故現場を目指しましょう。
ヤマト広告では日本全国の工事現場にデジタルサイネージを設置した実績がありますので、お気軽にお問い合わせください。